社会福祉協議会とは

                      ※略称で社協(しゃきょう)と呼ばれています。

1 ) 社会福祉協議会の使命と住民主体の理念

 社会福祉協議会は、地域福祉の推進を図ることを目的とする団体として、住民主体の理念に基づき、住民や地域の関係者との協働により、「ともに生きる豊かな地域社会」を創造することを使命とする。

 

社会福祉協議会のすべての活動・事業および組織経営は、住民主体の理念にもとづいて展開する。

住民主体の理念とは、

①住民を中心に置くこと

 

②住民のニーズに基づくこと

 

③住民の主体形成と組織化を基礎とすること である。

 

2 ) 社会福祉協議会の組織

 社会福祉協議会は、住民(組織)と地域の関係者によって構成され、

次の5つの組織特性を有する。

①住民や地域の関係者による協議体組織

 

②地域福祉を創造する運動体組織

 

③地域の実情に応じた活動・事業を企画・実施する事業体組織

 

④公共性と公益性を有する民間非営利組織

 

⑤市区町村、都道府県・指定都市、全国に設置されている全国ネットワーク組織

 

3 ) 社会福祉協議会の活動原則

 社会福祉協議会は、次の活動原則をふまえ、各地域の特性を生かした活動を進める。


①社協の活動・事業の原点は一人ひとりの住民のニーズであり、多様な方法で把握し、それに基づく活動を進める。
住民ニーズ基本の原則】


②社協は、住民の思いや、主体的な取り組みを基盤として活動・事業を進める。活動・事業を実施する際は、常に住民同士、住民と地域の関係者のつながりや支え合い、参加の機会を育むことを支援する。【住民活動基盤の原則】

 

③一人ひとりのニーズに基づく相談・生活支援等の個別支援と、住民や地域の関係者が主体的に参画する地域づくりを連動・循環させながら展開する。【個別支援と地域づくりの一体的展開の原則】


④民間組織として開拓性・即応性・柔軟性を発揮し、既存の制度にとらわれず、柔軟にニーズに対応するとともに、必要に応じて既存サービスの改善や新たな社会資源の開発、民間財源の確保に計画的に取り組む。
【民間性の原則】


⑤多様な地域生活課題を受け止め、対応するとともに、住民や地域の関係者による主体的な活動を推進するため、福祉関係のみならず、医療、保健、就労、住まい、司法、産業、教育、権利擁護、多文化共生、防犯、防災など他分野の関係者と連携・協働する。住民の福祉の増進を図ることを基本とする行政とのパートナーシップを構築し、役割分担に基づき、協働して活動・事業を展開する。【連携・協働の原則】

 

⑥住民や地域の関係者との協働促進に関する経験知と信頼、幅広いネットワークを基盤として地域福祉推進の専門性を発揮する。コミュニティソーシャルワークやコミュニティワーク、ケアワーク等の専門性の維持・向上に取り組むとともに、組織的な人材育成を図る。【専門性の原則】

 

4 ) 社会福祉協議会の機能

 市区町村社会福祉協議会は、地域の実情に応じて次の機能を果たす。

 

 ①住民や地域の関係者による福祉活動、ボランティア・市民活動の推進

 ②組織化、連絡調整

 ③福祉活動・事業の企画・実施、支援

 ④相談支援

 ⑤権利擁護

 ⑥調査・研究、計画、ソーシャルアクションの実施

 ⑦福祉教育の推進

 ⑧地域福祉を支える活動者・従事者の育成と協働の促進

 ⑨災害時等の支援

 ⑩地域福祉の財源確保および助成の実施

 

「社会福祉協議会 基本要項2025」より